東日本大震災以前、直後、並びに復興の過程における障害者・高齢障害者・難病患者等の災害弱者に関する健康や生活の状況等について検討するとともに、地域社会並びに行政等における支援の在り方について考察し、震災後の被災地の健康福祉システムの在り方を検討した。これらの取り組みは、被災地のみならず、今後の我が国の障害者・高齢障害者等への健康福祉システムを検討する時にも貴重な資料を提供すると期待される。
仙台市はあらかじめ52か所の施設を福祉避難所に指定していたが、震災後開設できたのは半数にあたる26か所であった。多くの福祉避難所は、特別養護老人ホームや老人福祉センター等の高齢者施設であり、高齢者の受入れについては対応できたと考えられるが、障害者の受入れは障害者福祉センターだけの対応であったために、受入れ人数は限定される結果となった。
p.107-117 第2章
阿部一彦・阿部利江・渡邉純一・千葉伸彦・三浦剛