障がいのある子どもの親亡きあとを支援する必要性は各自治体でさらに大きくなってきている。様々な形で支援が進められており、その支援内容や方法も様々である。A県内で活動する特定非営利活動法人Bではソーシャルワーカー(以下、SWr)とファイナンシャルプランナー(FP)が協同して、「親なきあと」を支援すべく、様々な取り組みが実践されている。今後の親亡き後に関する具体的な方策を検討することが本研究の目的である。
(1)「親亡きあと」のこれまでの支援について
SWrのみの支援ではこれまでは本人のみに焦点があてられることがほとんどで疾病や身体状況、治療方針が中心に検討され、家族や生活費や財産、将来の生活になかなか触れることができなかった現状があったと語られていた。
(2)現在の支援の実際について
現在は、「将来、家族、本人」の3点に分けて支援を進めることができているとの語りがみられた。具体的には「将来」のこととして「今後の生活費など今後の見通し」「財産(遺産)管理」「本人を支える「人」の存在」、「家族」という側面からは「父母の高齢化に伴う健康上の不安」「本人との向き合い方」「今後の具体的な見通しと今すべきことの整理」、本人という側面からは「疾病の治療」「生活の立て直し」「現実と近い将来の見通し」「将来を見据えた意欲向上」について支援が進められていた。