その他

基本情報

氏名 千葉 伸彦
氏名(カナ) チバ ノブヒコ
氏名(英語) Chiba Nobuhiko
所属 総合福祉学部 社会福祉学科
職名 准教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

知的障がい者の「親なきあと」の暮らしに関する一考察 - 『親なきあと』についてのアンケート調査の二次分析から -

単著・共著の別

共著

発行又は発表の年月

202306

発表学会等の名称

日本地域福祉学会(長野大学)

概要

 障がいのある子どもの成長と併せて、その子どもと親たちがいずれ直面する、親の高齢化や親亡き後の生活問題については、子が住み慣れた地域での生活を継続するためこれまで多くの家庭が悩みを抱えてきた。親亡き後に対する具体的な支援と方策を検討することが本研究の目的である。

 親なきあとの暮らしの不安としては、「住む場所」(56.3%)が最も多く、次いで「毎日の生活(食事、洗濯、入浴など)」(55.2%)、「日々のお金の管理」(40.2%)、「医療機関への通院・関わり」(32.2%)、「生活に必要な収入」(32.2%)が続いた。親なきあとの暮らしの準備の有無では、「話している・準備している」が41名(47.1%)、「準備していない」が46名(52.9%)という結果となった。「話している・準備している」と回答した者では、「支援者からのすすめ」(31.7%)、「親が高齢になったから」(24.4%)、「親が病気になったから」(22.0%)が準備を始めるきっかけとなっていた。一方、「準備していない」と回答した者では、「何をしていいのかわからない」(58.7%)、「本人の将来を考える余裕が今はない」(28.3%)がその理由としてあげられた。
 親なきあとの暮らしに対し、住む場所、食事、洗濯、入浴、金銭管理といった日々の生活に対する漠然とした不安を感じながらも、子どもだけでの将来の暮らしを想像することができず、行動に移すことのできない親たちの姿が浮き彫りとなった。知的障がい者の親なきあとの暮らしを支援していくための第一歩としては、親が子どもの将来についての不安を払拭し、具体的なイメージをもって準備に取り組んでいけるようなサービスや仕組みを整備していくことが必要であると考える。