本研究では重症児をもつ母親の社会的支援ネットワークに関する構造や内容を明らかにすることを目的とした。日常の生活を通して重症児と母親の関係性は深く、これまでの生活で蓄積された経験や思いといったものと重なり、母子が一体化している状況が見受けられる。周囲のサポート源がサポートできる内容についても、母親が一人で担っている現状である。地域に目を向けてみると、なお一層母親らが置かれている環境の厳しさが明らかになった。母親らの語りからも近隣住民や地域内のサポートはほとんど無い状況である。子どもと母親らに専門的に関わる専門職種の存在や医療機関からの情報提供、相談支援窓口との関係性などが母親らの日常生活を支える要因となっていることが明らかとなることでこれからのサポート体制のあり方を検討することが可能となる。