実習生としてのレディネス(準備性)を明らかにすることを目的に、精神障害の当事者性を有する実習生を対象に「実習中困難だったこと」、「実習中困難だったことにどう対処したか」、「実習中困難だったことを回避するための方法」について実態調査を行った。実習中に遭遇する「困難さ」として、「実習指導者や利用者・患者等の関係性の構築」、「精神障害による疲労・エラー行動」「当事者目線による葛藤」のカテゴリーが抽出できること、実習生としてのレディネス(準備性)として「自己覚知」、「自己コントロールを含むセルフケア」、「対人コミュニケーション」、「自身を含む状況の俯瞰視」、「自身が困難を抱えていることを表明できる」の5つのスキルに対する視座が明らかとなった。今後の課題として、実習生としてのレディネス(準備性)の状態を把握するためのアセスメント(査定)基準の設定及びアセスメントの方法、実習生としてのレディネス(準備性)が獲得されていると判断され得る一定の基準に到達するための効果的な教育プログラムの開発の必要性が確認された。