本研究では、課題を抱える児童生徒とその家族に対し、課題解決に向けた、より効果的な支援を展開するため、A町教育委員会に所属する支援関係者(教育相談員、スクールソーシャルワーカー、スクールソーシャルワーカー事業担当職員、不登校課題を抱える児童生徒のメンタル面でのサポートを主たる目的としたA町のある県の独自事業の機関におけるスーパーバイザー及び学習支援員・自立支援相談員)に対し、普段支援を行う上で困難に感じていること、それらに対して有効と考える解決策ならびに支援体制について質問紙調査を実施した。その結果、「情報収集の困難さ」「支援の困難さ」「保護者の特性による困難さ」がカテゴリとして抽出された。それらを踏まえながら児童生徒とその家族への支援関係者等による連携支援体制のあり方、特に児童生徒の日常生活・学校生活上の課題の発現から支援に繋がるまでの有効な流れについて検討し、スクールソーシャルワーカーを効果的に活用するための連携支援システムについて言及した。
pp.51-70