社会福祉法人愛泉会ソーシャルワーク研究所による地域移行事例調査は、現在、障害者福祉分野において重要かつ喫緊の課題の一つである「地域移行」に係る実態につい て、利用者及びその家族、関係職員の皆様の協力のもとに「立体的な」現状把握と成果や 課題の分析を試みた大変貴重な成果である。調査報告の全体的な重要性を踏まえつつ、ここでは、社会福祉法人のマネジ メントの観点、とりわけ組織の人材に関わるマネジメント(人的資源管理)の観点から、(1)現場を支える職員の高度な職務遂行能力、(2)人材育成プログラムの充実、(3) 組織的な「知」の共有の仕組みづくり、の3 点について若干の所見を述べた。