[目的]本研究は,足趾圧迫力発揮時の大腿・下腿筋の関与を分析するため,下肢筋の筋活動量を測定し,足趾圧迫力との関係を検討した。[対象・方法]健常成人女性18
名を対象とした。足関節底屈,背屈時および膝関節屈曲,伸展時の最大随意等尺性収縮の筋活動量を測定し,足趾圧迫力発揮時の前脛骨筋,腓腹筋内側頭,大腿直筋,大腿二頭筋長頭の%IEMG を算出した。得られた各筋の%IEMG と足趾圧迫力との関係についてピアソンの積率相関係数で検討した。[結果]足趾圧迫力発揮時には,下腿筋%IEMG が19.3~25.3%認められた。また,各筋の%IEMG と足趾圧迫力で求めたピアソンの積率相関係数は,前脛骨筋と足趾圧迫力の間に r=0.53(p<0.05),腓腹筋内側頭と足趾圧迫力の間に r=0.51(p<0.05)との間に有意な正の相関関係が認められた。しかし,大腿直筋と大腿二頭筋長頭の%IEMG は,足趾圧迫力と有意な相関は認められなかった。[結語]このことから足趾圧迫力発揮時に下腿筋群は同時収縮を行い,その筋活動量は足趾圧迫力に反映されることが示唆された。
11(3):113-116,2021
相馬正之, 村田 伸, 太田尾 浩, 甲斐義浩, 中江秀幸, 佐藤洋介, 村田 潤