〔目的〕本研究では,女性パーキンソン病者における足趾把持力発揮に関連する因子について検討した。〔対象・方法〕在宅パーキンソン病者女性19名とした。測定項目は,
足趾把持力,足部柔軟性,足部アーチ高率とした。足趾把持力に影響を及ぼす因子を抽出するため,従属変数を足趾把持力,相関分析の結果から有意な関係を認めた身長,罹患期間,足部柔軟性を独立変数とした重回帰分析(ステップワイズ法)を行った。〔結果〕足趾把持力に影響を及ぼす因子として抽出された項目は,足部柔軟性と罹患期間の2項目であり,標準偏回帰係数(β)は,順に0.58(p<0.01),-0.43(p<0.01)であった。〔結語〕これらのことから,足部柔軟性が高く,罹患期間が少ないほど足趾把持力が強いことが示唆された。
11(1):1-5,2021
相馬正之、村田 伸、中江秀幸、中野英樹、石田治久、丸山ゆうみ、長柄 均、長柄祐子