[目的]本研究の目的は,パーキンソン病患者の浮き趾の本数とバランス能力や歩行能力などの身体機能との関連を明らかにすることである。[対象と方法]在宅パーキンソン病患者16名(男性7名,女性9名,平均年齢72.4±6.4歳,Hoehn & Yahr の重症度分類はstage Ⅱが5名,stage Ⅲが9名,stage Ⅳが2名)を対象とした。測定は,浮き趾の判定を行った後,体組成および各種身体機能を計測し,各項目と浮き趾本数との関連をスピアマンの順位相関係数を用いて検討した。〔結果〕対象者の87.5%に浮き趾が認められ,浮き趾本数は1.0(1.0-2.3)本であった。浮き趾本数との関連では普通歩行速度(p<0.05),足趾把持力(p<0.01)に負の相関を認めた。〔結語〕パーキンソン病患者では,浮き趾本数が多いほど足趾機能や歩行能力が低下する可能性が示された。
10(3)143-146
弓岡 まみ, 村田 伸, 兒玉 隆之, 中野 英樹, 相馬 正之, 佐藤 洋介, 村田 潤, 中江 秀幸