腹部手術後患者は運動中、特に仰臥位から座位に上がる動作中に痛みを強く訴えることがある。起き上がり運動中の術創の疼痛軽減に対する呼気の効果を調査分析した。方法:開腹腎生検を受けた77人の患者と鼠径ヘルニア修復手術を受けた11人の患者を起立させ、その後、休憩後、呼気しながら起き上がり運動を行うように指示した。呼気の指示の前後の上昇運動に関連する術創の痛みを比較し、検討した。結果:開腹腎生検またはヘルニア修復を受けた患者では、呼気で起き上がり運動を行った場合、起き上がり運動中の術創の痛みが大幅に軽減された。結論:本研究は、呼気中に仰臥位から座位への起き上がり運動を行うと、腹部手術による創傷の痛みが軽減されることを示唆した。
SAKAGAMI H, Otomo A, Nakae H, Nagatomi R