〔目的〕本研究の目的は,歩行が自立しているHoehn&Yahr 重症度分類stage Ⅱ ~Ⅲの在宅パーキンソン病患者を対象にし,足趾把持力と歩行機能およびバランス機能との関連性について検討することである。〔対象・方法〕Hoehn&Yahr 重症度分類stage Ⅱ ~Ⅲの在宅パーキンソン病患者10名とした。測定項目は,足趾把持力,最速および快適歩行速度,Functional Reach Test(以下,FRT),片脚立位保持時間,Timed Up&Go test (以下,TUG)とし,足趾把持力との関係について,Spearman の順位相関係数を用いて検討した。〔結果〕足趾把持力は,FRT との間に正の相関関係を認めたが,その他の項目とは関係を認めなかった。〔結語〕これらの知見から,Hoehn&Yahr 重症度分類stage Ⅱ ~Ⅲの在宅パーキンソン病患者の足趾把持力は,静的バランス機能を反映する可能性が示唆された。
9(2)91-94
相馬 正之, 中江 秀幸