本研究では、通所介護(デイサービス)と通所リハ(デイケア)の事業所を対象に在宅パーキンソン病(PD)患者の利用状況について調査し、現状とその問題点について検討した。A市内の通所事業所を対象に郵送法・無記名式で、定員数やリハ担当職種、利用目的やリハ内容、利用者からの要望、事業所側の問題を調査した。その結果、PD患者の利用率は78.2%(過去の利用を含めると87.2%)、Hoehn&Yahr重症度ではstageⅢの利用が最も多かった。リハ担当職種は介護職と看護職が多く、理学・作業療法士は全事業所の22.7%の担当率であった。デイサービスとデイケアに共通した利用目的は「外出の機会確保」「日常生活動作の維持」であり、「筋力の維持」「PDに対するリハ」はデイケア利用目的の特徴であった。利用しているPD患者からの要望は、「独りで実施できない」「リハ時間が短い」などが挙げられ、事業所側は、医学的情報や知識や技術の不足などの問題を抱え、医療機関や事業所間の連携、勉強会や研修会の必要性を感じていた。
29:7-14,2017.8
中江秀幸,相馬正之,坂上尚穂