我々は、集中指知覚時に指の皮膚血流(SBF)が変調し、SBFの変化が指の体積(FV)の変動を反映していると仮定した。そこで本研究では、点字読書時のSBFの変化とFVの関係を検討することを目的とした。方法:30名の健常者を対象に、盲検下で行われた点字読書中の指のSBF、皮膚血管コンダクタンス(CVC)、FV、動脈血管圧を測定した。被験者は、文字が浮き出た平板を人差し指で15秒間読むこと(点字読み)と、対照として白板を触ること(点字識別手順)を指示された。結果:動脈血圧は点字読書中にわずかに上昇したが,空白の板に触れている間は変化しなかった.SBF,CVC,FVは点字読書中に減少した(それぞれ-26%,-29%,-0.3 mL/100mL減少).さらに、点字読書中のSBFとFVの変化には有意な関係(r=.613)が認められた。結論:これらの結果は、指の集中知覚時に指のSBFが変調し、血流の変動がFVの反応を反映することを示唆した。
1–5.2017
J. Murata S. Murata M. Soma H. Nakae Y. Sato H. Kogo N. Umeki