健常女性を対象に最速と至適の速度条件で,速度,立脚時間,歩幅,歩隔,足角の歩行パラメータと,身体機能として大腿四頭筋,ハムストリングス,腓腹筋の筋力,そして足趾把持力や最大一歩幅を測定し,速度条件間の歩行パラメータ,歩行パラメータと身体機能との関連性を検討した。その結果,最速歩行と至適歩行間に速度,立脚時間,歩幅,足角に有意差を認めたが,歩隔では有意差を認めなかった。歩行パラメータ間の関連性では,最速歩行の歩隔と立脚時間,至適歩行では足角と歩隔に有意な相関を認めた。歩行パラメータと身体機能では,最速歩行で腓腹筋筋力と歩隔,至適歩行では大腿四頭筋とハムストリングス筋力が立脚時間と有意な相関を認めた。最速歩行と至適歩行ともに歩隔と最大一歩幅との間に有意な相関を認めた。本結果から,歩隔は腓腹筋や最大一歩幅との関連性が示唆され,足角は速度条件や大腿四頭筋筋力に影響される指標であることが示唆された。
6(1) 9-16,2016
中江秀幸、村田 伸、甲斐義浩、相馬正之、佐藤洋介