その他

基本情報

氏名 中江 秀幸
氏名(カナ) ナカエ ヒデユキ
氏名(英語) Nakae Hideyuki
所属 健康科学部 リハビリテーション学科(理学療法学専攻)
職名 准教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

「在宅パーキンソン病患者の運動療法に関する実態調査 ―3年後の再調査による比較―」

単著・共著の別

その他(発表学会等)

発行又は発表の年月

201711

発表学会等の名称

第76回日本公衆衛生学会

概要

【目的】全国パーキンソン病友の会A県支部会員に対し,運動療法に関するアンケート調査をH24年に実施した。その結果,要介護認定率75.8%,介護保険サービス利用率67.0%,自主練習の習慣が62.6%であった。その後,会員を対象にリハビリに関する講演会2回,市民公開講座3回,支部会報の寄稿3回によってリハビリに関する啓蒙活動を行ってきた。これら活動による意識変化の検証と前回に行っていないQOLに関する調査を目的に再調査を行った。
【方法】会員に対し,症状,起居移動動作や身辺動作に関する主訴,介護保険の認定・利用状況,運動療法の実施状況について無記名式アンケート調査を郵送法で行った。なお,初回調査がH24年11月,再調査をH28年2月に行い,生活の質をParkinson's disease questionnaire-39(PDQ-39)を用いた。
【結果】アンケート回収率は初回調査52.3%,再調査51.2%。症状,起居移動動作や身辺動作(35項目)の主訴は,「動きが鈍い」〔初回調査/再調査(%)87.9/86.2〕,「とっさに動けない」〔75.8/57.5〕,「力が入りづらい」〔68.1/64.4〕などの回答率は高かった。一方,身辺動作項目は両調査ともに低回答率であった。要介護認定率は初回調査73.6%で再調査72.4%,介護保険サービス利用率が初回調査64.8%,再調査66.7%。自主練習の習慣は初回調査62.6%,再調査が78.2%と向上した。自主練習の実施頻度と実施時間は初回調査2.5±2.5回/週,実施時間14.5±12.5分/回,再調査では実施頻度3.0±2.5回/週,実施時間20.6±22.1分/回と改善した。再調査で行ったPDQ-39を要介護認定の有無と自主練習の有無で2群間を比較した結果,要介護認定有45.9±20.0点で要介護認定無27.0±16.8点(t=-4.44, p<0.01),自主練習有38.3±20.0点で自主練習無49.0±22.2点(t=2.02, p<0.05)と2群間に有意差を認めた。
【結論】啓蒙活動効果として自主練習の実施頻度や時間の増加が示唆され,PDQ-39の結果から自主練習の習慣化がQOLの維持に関与すると考えられた。本研究はJSPS科研費15K08563の助成を受けたものである。
じかごしま県民交流センター ポスターセッションP-0901-3