【目的】挨拶課題について、講義およびグループワーク(GW)による介入効果の差違を検討し、効果的な教授方法を考察すること。
【方法】第1学年45名を対象とした。挨拶を「全くできていない:0」「十分できている:10」のスケールで自己評価し(視聴前評点)、挨拶の注意点の列挙数(視聴前 列挙数)を集計した。次に各自の挨拶映像を視聴して視聴後評点と視聴後列挙数を集計した。その後、講義群(n=21)とGW群(n=24)に分けて介入を行い、 介入後評点と介入後列挙数を集計した。また、挨拶の注意点として列挙された内容についてはKJ法を参考に分類し検討を行った。
【結果】各評点および列挙数ともに両群間に有意差は認められなかった。挨拶の注意点として列挙された内容は、GW群ではお辞儀動作や声といった基本技術的な内容が、講義群では場面の配慮や心構えといった応用的な内容が多く挙げられたのが特徴であった。
【考察】挨拶の自己評価および知識の獲得において、受動的な学習方法である講義と能動的な学習方法であるGWでは介入による差がなく、どちらも知識の獲得や気づきがあることが分かった。ただし、列挙項目の内容には両群間に若干の差があり、その特徴を考慮して組み合わせることでより高い効果が得られるものと考えられた。
髙橋恵里・中江秀幸・佐藤洋介