〔目的〕挨拶課題における遂行能力と自己評価の現状を把握し、映像提示やグループワーク(GW)による介入効果を検討した。〔方法〕新入学生45名を対象に挨拶課題をビデオ撮影した。撮影したビデオ映像により教員が10点満点で採点(教員評点)、学生にはビデオ映像視聴前に0-10スケールで自己評価(1st自己評点)と挨拶時の注意点を列挙させて集計(1st列挙数)した。 次に各自のビデオ映像を視聴させて2nd自己評点と2nd列挙数、挨拶に関する講義とGW実施後に3rd自己評点と3rd列挙数を集計した。〔結果〕平均は教員評点7.0±1.0点、1st自己評点5.7±1.7点、2nd自己評点4.3±1.6、3rd自己評点4.7±1.7点で有意差を認めた。挨拶時の注意点の列挙数は、1st列挙数4.6±14個、2nd列挙数5.5±2.0個、3rd列挙数9.1±3.2個で有意差を認めた。〔結語〕ビデオ映像視聴前は自己評価が高いが、視聴することで自己評価を低下させる効果が示唆された。一方、挨拶時の注意事項に対する「気付き」である列挙数は1stと2nd間に有意差なく、ビデオ映像視聴による介入効果は少なく、講義やGWが効果的であることが示唆された。
中江秀幸・佐藤 洋介・髙橋 恵里・相馬 正之・五十嵐 守・齋木 しゅう子