在宅パーキンソン患者(PD群)10名と健常高齢者(高齢者群)10名の身体機能と24時間の活動状況を調査・比較し,差異と特徴を明らかにすることを目的とした。身体機能は関節可動域,下肢筋力,FIM,老研式,歩行速度と歩行率,TUG,FRT,FBSを指標とし,一日の活動量の指標として三軸加速度計から力積値を求めた。同時に行動記録計による姿勢動態と姿勢変換回数を記録した。その結果,FIM,老研式,歩行速度,TUG,FBSで有意差を認め,高齢者群の方が上回っていた。関節可動域,下肢筋力,歩行率,FRT,力積値,姿勢変換回数は有意差を認めなかった。しかし,立位割合と背臥位割合はPD群が有意に高かった。
PD群でFIMや老研式が低い要因として生活場面での二重課題や歩行障害の影響,関節可動域や下肢筋力が維持されていた要因は自主トレーニングやディケアの訓練効果と考える。1日の活動量では高齢者群と同等ではあるが,PD群は立位と背臥位の占める割合が高いことから,立位や背臥位からの姿勢変換練習や生活場面の二重課題を考慮した介入や指導が重要である。