作業療法士養成を担う専攻では,臨床教育を特に重視し,指定規則を上回る1080時間の臨床実習を導入している.さらに学科完成年度を契機に学内科目を含む臨床教育の見直しを行い,実習回数および実習期間の枠組みは変えずに,臨床実習の内容や実施方法を変えた.この際われわれは,①作業療法の良さを学生が臨床場面で実体験し,②常に対象者中心の対応ができることを重視した.これらのことを実践するために,③4回の実習を通し,作業療法技術の実施経験から作業療法実施までを段階的に学ぶことのできるような積み上げ型学習にすることや,④クリニカル・クラークシップ型の臨床実習(以下CCS型実習)を導入した.このCCS型実習の中でもCCS型評価実習Ⅰに関して,実習指導に関わった臨床教育者指導者におこなった調査結果に基づき,学生にとっての学びやすさ,指導のしやすさ,対象者への影響について示唆を得た.
総78 pp.42-44
紀國谷恵子 佐藤善久 渥美惠美