宮城県内の新人作業療法士と作業療法部門の統括者に対して実施した調査から、新人教育体制の現状を把握し、また新人作業療法士と部門統括者それぞれが必要と考える職業コンピテンシーについて検討した。新人教育体制では、教育担当者(CE)が配置され、実技の個別指導や記録を介した指導が多用される一方で、臨床場面でのOJTや新人作業療法士自身の自己評価の機会の提供が少なく、現場での教育の機会や組織としてのリフレクションや、目標を共有する機会の整備が十分とは言えない現状であることがわかった。また作業療法士に必要とされる職業コンピテンシーでは、新人作業療法士は知識や技術などを重視する一方で、部門統括者は適応力や組織運営などを重視していることがわかった。
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紀國谷恵子 伊藤明海 小野治子