論文

基本情報

氏名 五十嵐 守
氏名(カナ) イガラシ マモル
氏名(英語) Igarashi Mamoru
所属 健康科学部 リハビリテーション学科(理学療法学専攻)
職名 准教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

題名

博士論文「乳児期初期における自発的な肘の屈曲伸展運動の定量評価」

単著・共著の別

単著

概要

【目的】乳児期初期の自発運動であるgeneral movements (GMs)の変化を示すパラメータは明らかでない.本研究では,肘屈曲伸展運動に着目し,A.角加速度と角躍度の変位量時系列データに対するroot mean square (RMS) の値,B.角加速度変位量時系列データに対するfast Fourier transform (FFT) のスペクトル解析から得られるパワーの値と正規化した%パワー値,C.角加速度変位量時系列データに対するカオス解析から得られる最大リアプノフ指数と相関次元の値を算出し,これらがパラメータになり得るかを検討した.【対象・方法】対象は胎生36週未満で生まれた早期産児15名で,修正月齢-1ヵ月,0ヵ月,1ヵ月,2ヵ月,3ヵ月,4ヵ月の6回,機嫌良く自発運動を行っている時の右肘の屈曲伸展運動を,磁気式3次元動作解析装置を用いて計測し,A.B.C.の値を算出し,term I(修正月齢-1ヵ月・0ヵ月の平均値),term II(修正月齢1ヵ月・2ヵ月の平均値),term III(修正月齢3ヵ月・4ヵ月の平均値)の変化を各期間で比較検討した.【結果】Aの結果.角加速度RMS値は,term Iに比べterm IIとterm IIIが有意に小さな値を示した(p < 0.05).角躍度RMS値は,term Iに比べterm II (p < 0.05)とterm III (p < 0.01)の値は有意に小さな値を示した.Bの結果.13- 20 Hzの帯域におけるパワー値は,term Iに比べterm IIIは有意に小さな値を示した (p < 0.01).13- 20 Hzの帯域における%パワー値は,term Iに比べterm IIIは有意に小さな値を示した (p < 0.01). Cの結果.最大リアプノフ指数はterm Iとterm IIに比べterm IIIは有意に小さな値を示した (p < 0.01).相関次元はterm Iに比べterm IIは有意に大きな値を示した (p < 0.05).term IIとterm IIIの値はほぼ同じ値を示した.【結論】乳児期初期のGMsの肘屈曲伸展運動のterm間の変化を,角加速度と角加速度のRMS値,FFTスペクトル解析による13- 20 Hz帯域のパワー値と%パワー値,カオス解析による最大リアプノフ指数と相関次元で捉えることができ,その変化を表すパラメータになり得ることがわかった.
総p.84

発表雑誌等の名称

東北大学大学院

発行又は発表の年月

201703