近年、初期乳児期の運動学習を促している要因の一つに乳児の自発運動が考えられている.乳児は自ら外界に働きかけ,その変化を感じ取ることで自ら運動学習を促しているという.
先行研究では,この自発運動の様子は生後2ヶ月頃変化することが報告されている[1].また手足のマーカーの軌跡の大きさを比較した研究でも [2],自発運動の一つであるハンドマウスコンタクトの回数を比較した研究でも[3],2ヶ月頃一時的に少なくなることが報告されている.
一方でパーキンソン症候群の評価に振戦の加速度にFFTスペクトル解析を行なったものがあり,障害の程度によりFFTスペクトルの周波数とパワーに違いがあることが報告されている[4].つまりFFTスペクトル解析で中枢神経系の作用の変化が表せることを示している.
そこで本研究では初期乳児期の自発運動における肘の屈曲伸展運動に着目して,その運動の角加速度にFFTスペクトル解析を行い,その変化がどのように現われるのか,また乳児の発達を表すパラメータになり得るかを検討した.
pp.138-139
五十嵐守 小山秀紀 出江紳一