本研究の目的は、前調査において項目を集めたPCAGIP法の評価尺度について因子分析および信頼性の検証を行い、評価に影響を与える要因について検討することである。PCAGIP法の実施と調査は養護教諭を目指す学生 46人を対象とした。因子分析を行なった結果、「難しさ」「省察」「理解の深まり・広がり」「示唆」「受容的雰囲気」の5因子が得られ、α係数は.75~.84を示し高い信頼性が確認できた。評価に影響を与える要因として、回を重ねると初回の「難しさ」は緩和されること、セッションの内容(プロセス)の良し悪しに影響されること、直接参与している「金魚」の役割の評価が顕著に表れること、PCAGIPが意図する効果概念を下支えするのは、PCAグループの中核概念である、グループで醸成される受容的雰囲気であることが示唆された。
pp59-67