本研究においては、養護実習の体験学習を促す事後の取り組みを振り返り、促すために何が必要であるのかKolbの体験学習モデルを適用して検討した。省察レベルの数値化と内容分析により、省察したことを文章化・言語化する作業を繰り返す、いわば熟成のための「しこみ」が不可欠であり、そのうえで行う応用的な演習が「媒体」となり、高次の省察を促すことが明らかになった。さらに、「しこみ」となるレポートや振り返りシートには、具体的な設問をして省察を引き出すような工夫が必要であり、取り組みのプロセスの中では感情が揺さぶられるような適度な「刺激」も効果的であることが明らかになった。
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