「津波で被災した女児との遊戯療法 -喪失体験からの回復過程- 」(査読有)
東日本大震災の津波の被害により住み慣れた環境と大切なものを失い、持病の悪化等を呈した女児に対し、小学校のスクールカウンセラーとして遊戯療法を用いて中長期支援を行った事例を報告。箱庭を中心とするあそびは、「停滞」から「情緒とエネルギーの解放」「緊張の解きほぐし」「死と再生」「制御と安定」の順にテーマが流れ、カウンセラーが本児と似たような喪失体験を持っていたことは、「共時的出会い」と互いに「傷ついた癒し手」となる関係を与え、共に回復する相互作用をもたらしたと考えられた。Pp43-52
遊戯療法学研究13巻1号