本研究では、オンラインによるPCAGIP法について、PCAGIP効果測定尺度を用い、対面実施との違いを数量的に比較検討することを目的とした。オンラインによるPCAGIP法は対面と比べ、事例検討法としての効果である「理解・発見」因子が有意に高くなり、グループ体験としての効果である「受容的雰囲気」因子が有意に低くなることが明らかになった。このことより、「頭」で考える思考的なプロセスは促されるが、「心」で感じるところが伝わりにくいのがオンラインの弱点であることが示唆された。考察より、弱点を補うものとして、手続き上の工夫、「心理的環境」を整えること、「共通感覚」の可能性を検討することが示唆された。