本研究は、心理学系における養護教諭養成において、学生がフィジカルアセスメントの能力を習得できているのか現状を把握するとともに、今後必要とする教育課題を明らかにすることを目的としている。看護学臨床実習後レポートを基に、得られた学びを抽出・分類し、さらに1年後の養護実習における自己評価表と事後レポートから、救急処置に関する自己評価と失敗や反省点の内容を抽出し、フィジカルアセスメント力習得状況の把握を行った。その結果、看護学臨床実習においては、「コミュニケーション」や「不安軽減」等心理的支援についての学びが多い一方、「情報収集」や「判断・知識」など、フィジカルアセスメントに関する学びが少なかった、養護実習の救急処置においては、多くの学生はフィジカルアセスメント力が不十分であり、自信をもって実施できていないことが分かった。フィジカルアセスメント力を習得するためには、看護学臨床実習、さらに実習準備段階におけるフィジカルアセスメントの系統的教育が重要であるなど、教育課題が明らかになった。
pp25-33
飯嶋亮子 内藤裕子