養護教諭養成において、毎年4年次にPCAGIP(Person Centered Approach Group Incident Process)を活用しその効果を検討している。本研究の目的は前回作成したPCAGIP評価尺度を改善し、効果の要因を検討することである。PCAGIP実施後、修正した質問紙の回答について因子分析を行った結果、「理解・発見」「受容的雰囲気」「省察」の3因子、13項目が抽出された。修正前まであった「難しさ」の因子がなくなり、本来求めていた、効果を測定することが可能な尺度となった。効果要因として、セッションの展開の良し悪しと「受容的雰囲気」の影響が大きいことが示唆された。展開がうまく進んだと評価されたセッションは、効果尺度の平均も高くなる傾向がみられた。答えが出にくい難しい事例が用いられたセッションは、「理解・発見」が低くなる一方で「受容的雰囲気」が高くなる傾向が見られた。
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