冷害対策として1980年代初頭に始められた複合的な産直事業の現状を把握し、農協の産直事業へのかかわり方を嫁・姑世代ともに産直に携わった2世代のライフコース比較を分析した。そのことにより産直事業を展開する嫁・姑世代の女性の当事者の視点から産直や農業への取り組み方、産直を導入してからの生活や意識の変化を分析することが可能となった。その結果、家事労働と農業労働を両立させているが、その家事労働のなかで農業労働との両立に影響を及ぼすものは、育児と高齢者介護であることが明らかにされた。
pp.297-322