ここ40年間に農家を取り巻く環境は激変している。米増産体制、減反政策の実施、稲作機械化、兼業化の進展、離農・脱農の出現、食管制度の解体と米価低迷、他方での産直といった新しい営農形態の模索など、これら外部環境の変化は農作業の進め方に影響を及ぼしてきた。本研究においては、宮城県大崎市を調査対象地として、こうした農業事情の変化のなかで、農家において農作業時の休憩にあたる「たばこ休み」が、農業従事者にとってどのような意義をもち、また「たばこ休み」の内容がどのように変遷してきたかを明らかにしている。
pp.108-119