発達が気になる子どもの保護者支援の一つとして、2006年からペアレント・トレーニング講座を定期的に開催してきたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、対面でのグループ支援方式が開催できない状況となった。そこで、2020年4月からICTを活用したオンラインによる同時双方向型の個別支援方式ペアレント・トレーニングを約10か月間、のべ79回、計21家族(25名)に開催した。県外在住からの利用が38.1%あり、オンライン方式の利点として、全国を対象とできることが明らかとなった。オンラインによる個別支援方式ペアレント・トレーニングの効果について、終了時の感想をデータとして検討した結果、子どもの言動に良い変化がみられ、保護者がこれまでの子育ての態度に自ら気付き、冷静に対応できるなど対面と同等の効果が得られることが示された。また、対象の拡がりと利用方法の多様性、支援の意義が明らかになり、オンライン支援方式のさらなる可能性が示唆された。
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富澤弥生、氏家享子