本研究の目的は、東日本大震災後の仮設住宅において、継続して行った健康支援ボランティア活動から看護学生が感じ、学んだことを検討することである。データは、ボランティア活動終了直後に学生が記述した記録である。
分析は質的帰納的方法で行い、各カテゴリーのデータ数も算出した。
結果として、対象となる学生はのべ188名、一緒に活動した教員はのべ193名、データ数は407、8つのカテゴリーが抽出された。
カテゴリーとデータ数は、<看護学生としての学びを得る(116)>、<仮設住宅の生活と健康に関する問題に気づく(89)>、<自分なりの活動の目標をみつける(82)>、<活動に意義を感じる(36)>、<自分の勉強不足を感じる(28)>、<複数回の活動により対象者の変化に気づく(26)>、<自分の成長を感じる(20)>、<対象者への感謝を感じる(10)>であった。
学生は、仮設住宅での生活や健康の問題に気づき、一緒に活動している先輩や教員から多くの学びを得て、自分の成長を感じ、自分なりの目標をみつけ、対象者への感謝や継続した活動の意義を感じることが示唆された。
学生は、仮設住宅での生活や健康に関する問題に気づき、一緒に活動している先輩や教員から多くの学びを得ていた。さらに、自分自身の成長を実感するとともに、活動に対する自分なりの目標をみつけ、対象者への感謝の気持ちや継続して行う健康支援ボランティア活動の意義を感じていたことから、健康支援ボランティア活動が看護学生にとって、学びの多い経験であることが示唆された。
pp.161-168
富澤弥生、一ノ瀬まきの、小野木弘志、鈴木千明、中村令子、三澤寿美