発達障がいに関して初診まで何カ月も待たされ、支援も受けにくい現状がある。本学では、保護者支援の一つとして、子どもの年齢・診断の有無などの制限なく、小児看護CNS(専門看護師)がペアレント・トレーニングを定期的に開催し、広報は大学HPで行っている。本研究は、発達障がいグレーゾーンおよび未受診状況にある子どもの保護者支援の効果について明らかにすることを目的とした。
対象は保護者支援に参加した計7グループ、44名、子どもの年齢、症状、参加目的、参加のきっかけ、効果については終了後の感想にあった子どもと保護者の変化から分析した。
結果・考察として、発達障がいグレーゾーンおよび未受診状況にある子どもは43.9%であり、おもな症状は、かんしゃく・こだわり・多動のほか、不登校・暴力など二次障害を疑う症状もみられ、支援が必要とされていることが示唆された。幼児がやや多く、参加目的にもあった「小学校入学前に何とかしたい」という保護者の思いがあると考えられた。参加のきっかけとして、ネット検索があり、HP等での情報公開、地域での活動実績をつくり紹介につなげることが重要と考えられた。効果として、「自分からやることが増えた」、「これもできるよと話してくれるようになった」など子どものよい行動の変化がみられた。保護者は、「今までの対応がすべて悪いほうへ導いていたのだとわかった」、「子どもに過大な要求をしていた」、「ほめていたつもりができていなかった」など、よりよい子育てができることで、過去の反省など気づきが得られていた。「ストレスが減った」、「冷静になれた」、「気持ちが穏やかになった」など冷静や穏やかなど気持ちの変化もみられ、「これからも家庭の雰囲気を良くしていきたい」など希望を語る効果もみられ、診断にこだわらず、子育てに困っていれば支援を受けられる体制が必要であることが示唆された。