【目的】専門看護師の実践活動の可能性と課題を検討するため、大学の社会貢献活動として、小児看護専門看護師が担当する子育て支援相談室の実態を明らかにする。
【方法】1.対象:子育て支援相談室(以下、相談室とする)の利用者
2.期間:2016年11月から2017年2月
3.研究方法:利用件数、内容などの実態を調査した。1回40分程度、完全予約制、有料で、発達障害の診断をうけたこどもや、未診断だが発達が気になるこどもの子育てに関する相談に応じている。
【結果】相談者は21名、一人あたり1~8回、のべ82件、うち、子育ての悩み相談13件、こどもの対応の指導希望は78件(重複あり)、相談内容は、子育ての悩みをとにかくきいてほしい、こどもを怒ってばかりいるのでどうにかしたい、こどもへの対応がわからない、などであった。
【考察】相談者は、悩みの相談のみでなく、実際の対応を知りたいという要望が高く、看護師はその要望に応えられる専門性をもつことが実践活動において重要であることが明らかになった。高橋1)は、「いつでも気軽に個別相談ができる場所などが必要である」と述べており、専門看護師の実践活動に対する社会の需要はあり、実践活動が今後拡大していく可能性が示唆された。しかし、社会貢献活動では時間の確保、専任での実践活動では人材確保や経営面において困難であることが課題と考えられた。
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