発達障害のある子供の母親が得た子育てに関する情報や支援のなかで、母親が役に立ったと捉えている内容を明らかにすることを目的とした。調査実施の承諾が得られた3施設において通院または入院、療育を受けている発達障害をもつ子供の母親を対象とした。事前の自記式質問紙調査の内容を踏まえ、半構造化面接による調査を実施した。子育てをするなかで「役に立ったこと」に関する内容を質的記述的に分析した。分析の結果、子育てをするなかで「役に立ったこと」に関する記録単位100から4カテゴリ、22サブカテゴリが抽出された。母親が役に立ったと捉えているものは、同じような経験をもつ母親、学校(教諭)、保育士や幼稚園教諭、病院などからのものが多かった。インターネットや本は身近な情報ツールであり、基本的な情報源としては有効であるが、個々のニーズに合った内容が必ずしも得られるわけではないことが推察された。本研究は、平成24年度文部科学省科学研究補助金基盤研究(C)の助成により実施した。
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鈴木祐子、塩飽仁、佐藤幸子、富澤弥生、田﨑あゆみ、井上由紀子、槌谷由美子