「看護学教育におけるFDマザーマップ®」を評価ツールとして活用し、看護系大学教員として求められる能力がどの程度備わっているかを自己評価に基づいて分析するとともに、保健看護学科FDの在り方を検討することを目的とした。対象は本学保健看護学科専任教員34名のうち、本研究の研究者6名を除外した28名とした。教員の能力レベルの特徴を把握するため、マザーマップ®の中心に位置づけられている[基盤]区分に着目し、中央値2.1以上を基盤高得点群、2.1未満を基盤低得点群として、[教育]、[研究]、[社会貢献]、[運営]の4区分についての平均値の差の検定を行った。結果、本学の教員の能力レベルの特徴は、4区分全てにおいて、基盤高得点群が基盤低得点群よりも有意に高い得点を示した。また、保健看護学科FDの評価として、5区分における1回目調査と2回目調査の得点を比較した。結果、[基盤]、[教育]、[研究]、[社会貢献]の4区分で平均値はわずかに増加傾向を示したものの有意差は認められなかった。一方で、[運営]区分では2回目の平均値が1回目よりも有意に高く、他の区分とは異なる変化が確認された。以上より、保健看護学科FDでは、教員の基盤的能力を重視しつつ、[教育]および[研究]区分を優先的に取り扱うこと、長期的かつ継続的なFDの実施、多面的な評価指標による効果検証、教員が参加しやすいFDの重要性が示唆された。