東北福祉大学では,2006年度から「教育実践活動」を開講し,1年時から教育現場に入る5日間の活動を行っている.今年度138名の受講生があり,学生の実態把握や成果と課題の分析を人手で行うことは難しく,安価で効率的な方法が必要とされていた.そこで,本研究では,学生が書いた事前・事後レポートの自由記述をKH Coderを用いて分析し,「教育実践活動Ⅰ」の成果と課題を明らかにする.共起ネットワークに着目して分析した結果,活動前は,「児童―対応」の共起関係から児童との対応に強い不安を感じていたが,活動後は,「教員-児童」の共起関係から,教員と児童の関わり方を注意深く観察し,一人ひとりに応じた対応を行うことの大切さを学んだことが明らかになった.また,教科の教え方や配慮を要する児童との接し方に課題があるため,「今後大学生活で学びを深めていく必要がある」と考えていることが示唆された.
総p.218 pp.171-188
三浦和美、渡会純一