本研究は、東北福祉大学の講義科目「表現技術Ⅱ(音楽)」の声楽系シラバスで行われている講義に焦点を当てる。学生の弾き歌いに関する思いや練習のあり方について、2つの手法を用いて分析を行った。一つ目が「テキストマイニング」であり、質問紙によって得た「授業の効果」「練習中の思い」「レッスン中の思い」に関する文書データを、「KH Coder」を用いて分析を行った。二つ目が「半構造化インタビュー」であり、そこから得られた言語データをもとに「個人練習」「レッスン」「緊張」「独唱の特異点」「声質や発声」の概念を形成した。これらの分析から、学生のもつ“精神的な側面”と“技術的な側面”の2つの声楽的な著問題が明らかとなった。そしてこれらの著問題について、今後の指導のあり方に関する提言を行った。
総p.218 pp.139-158
千葉昌哉、渡会純一