教育現場において、オノマトペを扱う際、既存のものが一般的になっているという問題がある。初等教員が既存の表現に偏った指導を行うことは、子どもたちの表現を限定してしまうことになると考える。
それを打破するために、本研究では、より自由な発想を持てるような授業を計画した。具体的には、1既存のオノマトペに縛られていることへ気づく活動、2大学のキャンパス内を歩き、音をオノマトペと図形楽譜で記録する活動、3記録したものを相手に伝える活動、である。これらを複数の大学で実践し、実際に記載されたオノマトペや図形楽譜の傾向を分析した。また、自由記述については計量テキスト分析を用いた。
分析の結果、本研究による実践の効果は、1集団でオノマトペの表現をし合うことにより、実際の音に近づく感じがすること、2他教科への応用や連携の可能性があること、3インプットは難しいがアウトプットは楽しく活動ができること、4図形楽譜は記録の手段として有効であるということ、という 4 点にまとめられた。
総p.148, pp.75-92
渡会純一/佐藤和貴