平成29年3月の学習指導要領改訂を受け、音楽科の評価の観点が現行の内容分析的観点が混在する4観点から、能力分析的観点の3観点に変わることとなった。そこで、他大学で行われている模擬授業の評価等を参考にしつつ、本学前期「音楽科の指導法」の授業における模擬授業の評価の観点を新たに設定した。本研究は、模擬授業の実施を通して、より確かな評価の観点を見出すことを目的とする。
結果として、 学生の評価記述から、以下の点が明らかとなった。
・学生は「先生らしさ」と「歌唱の手本」を模擬授業の重要なテーマと捉えている。
・「音楽づくり」模擬授業評価が、「歌唱指導」のそれより平均的に高い。
・教師役の話し方で空気感が変わり、児童役の発言を生かした授業展開をすると評価が高い傾向がある。
これにより、教師は音楽の専門性も大事だが、それと同様(またはそれ以上)に教師としての振る舞いや言動、教材研究が重要であることが挙げられた。