自己卑下呈示が受け手の自己評価に及ぼす影響について検討した。分析の結果、知人による信憑性が低い自己卑下呈示は、受け手に自己批判傾向を生じさせること、友人による信憑性が高い自己卑下呈示は、受け手に自己向上傾向を生じさせることが示された。また、自己卑下呈示規範内在化高群において、他者の自己卑下呈示は常に自己批判傾向の生起と結びついているが、内在化低群では、対人関係および信憑性が自己批判傾向の生起を左右することが示された。文化的な自己呈示規範の形成に寄与している要因について考察を行った。
第38巻 pp.105-116