目的:東北福祉大学せんだんホスピタル(以下当院)におけるFPEの実践をとおしてみえてきた課題を明らかにし、その対応について検討を加えることを目的とする。
方法:当院において2014年度に実施されたFPEの参加者を対象とした。教育セッションについては、毎回、参加者全員にアンケート用紙を配布し、プログラム終了後その場で記載いただき回収した。グループセッションについては、8回のセッションが終了後、アンケート用紙を発送し、返信してもらった。後日、回答内容の具体化のため、回答者全員を対象としたグループインタビューも開催した。尚、対象者に対し、結果は学術大会等で発表することがあるが、個人は特定されず、不利益は生じないことを口頭と紙面にて説明し承諾を得た。
結果:教育セッションについては、いずれの回についても「分かりやすく」、「ためになった」という評価を得たが、実際に活用することに困難を感じていることが伺えた。また、土日開催の希望もあった。グループセッションについては、参加後の変化として「本人のへの対応を工夫するようになった」、「自分の時間を大切にするようになった」などプラスの評価がある一方で、サポートがないとプログラムに参加しづらい場合もあった。グループインタビューでは、プログラム終了後もスタッフが入る形でのフォローを希望する声があった。
考察:FPEの課題としては①平日開催のため、参加可能な家族が限定されること②いくら必要性があってもサポートなしにはFPEへの参加が難しい家族がいること③参加者が提供された情報を活かすためには個別化が必要であること、④フォローアップのあり方、⑤ドロップアウト、をあげた。当日はこれらの課題についての対応についても言及したい。
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石黒亨/西尾雅明/藤田希美江/大竹奈美