本論文では作業記憶の個人差を測定するための検査として、信頼性・妥当性が確認された標準化検査であるSwanson認知処理テスト(Swanson-Cognitive Processing Test: S-CPT)の日本語短縮版の作成を行った。18歳以下を対象として原版の11つの下位検査のうち、記銘材料の性質(言語的・視空間的)と検索条件(回想的・展望的)を基準にして4つの下位テストを選択した。今後、実際S-CPT日本語短縮版を用いた評価を通して、作業記憶の測定方法としての妥当性を検討することの必要性が示唆された。
pp.303-316
黄淵熙、細川徹、石坂郁代