自閉症は就学前の早期に適切な療育を受けると、認知機能が向上し予後が改善するとされている。これまで数多くの早期療育プログラムが開発・実践されているが、どの療育プログラムを選択すべきかについては、明らかなエビデンスがない。本研究では、数ある自閉症の早期療育プログラムを、Howlinによる3つのモデル(①応用行動分析モデル (Behavior model) ②コミュニケーションに焦点を当てたモデル(Communication-focused model)③多面的発達モデル(Multimodal developmental model))に分類した。メタアナリシスの手法を用いて、3つのモデルの間でIQ、表出性言語への効果に違いがあるか、介入プログラム全体のデータを統合した場合にIQ、表出性言語に違いがあるかを検証した。その結果、3つのモデル間では効果に差はなかったが、自閉症の早期療育を行うと、IQ、表出性言語を向上させる効果があることが明らかとなった。
pp1-9
立花 良之、小林絵理子、黄淵煕、宮崎セリーヌ、太田えりか、森臨太郎