高校生とその母親の夏季および秋季における睡眠習慣を検討した。19組の高校生とその母親を対象に、アクチグラフィ、睡眠の主観評価、寝室環境(温湿度と照度)を1週間、計測した。分散分析の結果、アクチグラフィから評価した就床時間に親子差および季節差はなく、平日は約6時間、休日は有意(p<0.05)に延長して約7時間となった。また、睡眠効率は、いずれも90%を超える高い値を示した。母親の睡眠時間帯は、高校生よりも有意(p<0.05)に早く、月曜の朝の起床時刻は、夏・秋ともに親子で有意(p<0.05)な相関関係が認められた。夏・秋ともに約半数の母親および高校生が、”毎日”、または”週何日か”、睡眠不足を感じる、と回答し、高校生は、時々、部屋の灯りをつけたままで夜、寝付いていることが確認された。以上から、十分な睡眠をとるための睡眠衛生教育の必要性が極めて高いことが示唆された。