日本の多くの自治体では、高齢者や障がい者を含めたすべての人が生活しやすい街づくりを進めている。その中でも、移動の円滑化という観点からバリアフリー化が推進されており、その情報提供の一環として、Web や紙媒体によるバリアフリーマップが作成されている。しかし、二次元情報だけでは、高齢者や障がい者が必要な情報を補いきれない。そこで、3 D バリアフリーマップで必要な情報が提示できるのではないかと考えた。本研究では、建築物内を含めた3 D バリアフリーマップの実現に向けて、建築物の外観と内部の3 DCG モデルの試作を行った。外観は、UAV で撮影した静止画をもとに、フォトグラメトリ技術を用いて作成し、実物に近いスケールで再現した。また、建物内部は縮尺を同じにすることや、適切な配置物の作成、色、明るさなどを考慮して再現した。さらに、段差やエレベーターなどの情報を提示するとともに、建物内を任意に歩き回って見渡すイメージの再現(ウォークスルー)ができた。なお、一部の配置物についてはフォトグラメトリ技術を用いて3 DCG モデルを作成した。フォトグラメトリ技術による3 DCG モデル作成は、モデリングソフトで一から作成するよりも短時間かつ正確であり、本技術を用いることで、実用性の高い3 D バリアフリーマップ作成に活かすことができると考えられる。