本研究は,ALS患者等の重度障害者が意思伝達装置を使用し,人型ロボット Pepperにコミュニケーションを代替させるためのシステムを構築することを目的とする。ALS患者が自身の代わりにロボットを動かし,自らの意思を周囲に発信することが可能となれば,従来のコミュニケーション方法を拡張させることができるのではないかと考えた。試作したアプリケーションを利用することで,ALS患者がPepperを操作し,離れた居室とのコミュニケーションが可能であったことから,本研究の意義を再確認することができた。今回はALS患者に焦点を当て,システムの構築を検討してきたが,他の重度障害者にも応用ができるよう,今後は新たなUIの製作を目指し,実用化に向けて改良する必要がある。