先行研究では、間接疑問縮約において、英語は移動と省略(Merchant 2001)で分析する。一方、中国語は移動と省略分析(Wang and Wu 2006)とpro分析(Wei 2001)の二つの対立的な分析が提案されてきた。
本発表では、英語と中国語における間接疑問縮約の共通点と相違点を観察し、それを用いて中国語の間接疑問縮約は二つの派生があることを示す。二つ分析がある点を踏まえると、移動の証拠話題句とProの証拠複合名詞句の島からの抜き出しを用いて同時に仮定し、間接疑問縮約文は非文になると予測される。実際、そのような間接疑問縮約文は中国語では許されない。なぜなら、移動の話題句にはPro分析が構造を持たず、話題化された要素に対して説明できず、また、Proの複合名詞句の島からの抜き出しには移動が左枝抜き出し条件と複合名詞句制約の両方に違反するためである。よって、中国語の間接疑問縮約には移動と省略分析とPro分析を両方が必要と提案する。