本稿は、東北福祉大学スピーカーズビューロウ(SB)事業の講演者へのヒアリングを通して、当事者活動が精神障害当事者の意識にどう寄与し、地域生活支援展開の方法としてどのように活用出来るかについて検証することを目的とした。、本調査で明確になったことは、(1)SB活動は、リカバリを支援する過程においてエンパワメント・セルフケアの一方法として有効であること(2)地域生活を支援する過程において社会での役割を見いだし、具体的な社会への働きかけを提案していく方法として有効であること(3)SB活動が地域や当事者の要望・ニーズを表面化する一方法として活用できること(5)活動の推進においては、講演者・聴講者への支援が必要であり、重層的なコーディネートと合わせ、新たな仕組み作りが必要であることである。
pp.77-90